音楽と生活と私

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広島国際映画祭2021「ヤクザと家族 The Family」の舞台挨拶の備忘録

夜中にこんばんは。(2021年11月24日更新)

 

2021年の11月19日(金)に行われた、ヤクザと家族 The Familyの舞台挨拶の備忘録です。

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ほぼ自分用ですが、観に行けてない方も多いのと、あまりに素晴らしいトークだったので、未来の方にも残したくてアップすることにしました。

 

もちろん録音などはしていないので、記憶の中の内容をめちゃくちゃ思い出して書いてます…

そんなわけで、ニュアンスで書いてる部分も多く、一言一句そのままではないです!

読む方も本当に参考程度にしていただければです…!

それでも良い方はどうぞ!

 

 

 

 

 

<全体の感想>

全体的に綾野さんはめちゃくちゃ考えながら話してました。

適当に思いついたように話すんじゃなくて、本当に丁寧に言葉を選んで言ってくれてた印象です。

とにかく丁寧で、気配りめちゃくちゃしてるなって印象でした。

そして、ちょっと考える時は、膝の上に手を置いて、スーツの裾をぐいぐいと伸ばしたりしながら、緊張してる感じもありまして、めちゃくちゃ意外でした。

 

ーーーーーー


・広島について

綾野さん「今日、原爆ドームにも手を合わせてきました。こんな状態ではあるけれど、広島の地に立てることが奇跡だと思ってます。」


綾野さん「広島では映画とか撮ったことはなくて。ただ、広島弁に憧れてます。広島の友達が多くて。20代前半のころ、ぶちとか、じゃろ?とか言ってました。単純にカッコいいですよね。女性の広島弁は可愛いし、言われたいです。」


「しんちゃい」とかですか?と司会者に言われて、にこやかな綾野さん。

いつか広島で映画を撮りたいですね、という綾野さんに拍手が巻き起こる。


山本の衣装のスーツだった。

綾野さんの体型に合わせてスーツを作ったから、衣装さんがそのままくれた。

綾野さん「藤井さんは気付いてくれなかった。」

藤井監督「いや、だって直前までニコニコ話してたじゃないですか!」

綾野さん笑いながら、「山本の衣装を着ていると、気を抜くと足がこうなる(めちゃくちゃ足を開き、態度悪そうな感じに)」


・映画について
綾野さん「舘さん(オヤジ)の意思を山本(綾野剛)が継いで、それを翼(磯村くん)が継いでいく。暴力の連鎖を止めたい、止められたというラストだったと思う。」

続けて、考えながら、どう言えば良いんだろうと悩みながら、「そもそも生きることは鎮魂だと思う。人は必ず誰かの親で子供だから。繋げていきたいです。」

 

・ラストシーンについて

藤井監督「そもそも、最初はあのラストじゃなかったんです。最初に海に沈んでいく山本が映るじゃないですか。あれは、違法な漁をしてるシーンにしようと思っていて。ラストシーンでは、結局暴力の連鎖から逃れられないって描こうとしてて。でも、剛さんにアドバイスをもらって、最後は連鎖を止めるような、皆さんにさっき見ていただいたラストになったんです。だから、最後のシーンの脚本は、クレジットは綾野剛です。」

綾野さん「いやいや、そんなそんな。」


・辛い役回りについて

綾野さん「役が辛い思いをするのは別にいい。俺は辛くないです。むしろ役が苦しんでるときも、綾野剛自体は「ふー!」ってなってる(☝️みたいにしながら笑顔)ので笑」


舘ひろしさんの印象を聞かれて

綾野さん「舘ひろしさんは本当に温かい方でした。すべてを包み込んでくれる。とても久しぶりにこんな人に会いました。なかなか会えていない家族を思い出しました。」

 

・ここまでの流れについて

綾野さん「すいません。暗いですよね笑」

会場に起こる笑い。

綾野さん「いや、皆さんに楽しんでいただきたいので。楽しい話もしましょう笑」

 

・楽しかった撮影について

藤井監督「撮影現場は、本当に青春でしたね。」

綾野さん「本当にそうですね。楽しかったです。」

 

・アクションシーンについて

車に3回はねられたが、それを当日聞いたとのこと。

しかもはねられるシーンは長回しで、って言われて、んっ?となった。

脚本では、山本走って逃げるの1行だけ。

 

藤井監督「前日にロケハンでアクション部の方と話してまして。走って逃げるんですって言ったら「もっとなんかないですか?」って言われまして笑。じゃあ車にはねられるのはどうですか?って言ったら、じゃあそれで!って笑」

 

綾野さん「あそこは一連なので、殴るアクションして振り向いて、はねられるまで走る道がデスロードに見えたんですよ笑」

会場に起こる笑い。

綾野さん「だから、あの時の走りはちょっと他のシーンと比べて遅くなってると思います笑。でも、骨折したら撮影止まりますから。車にぶつかって、空、地面、カメラ、と視界に映るものとタイミングを覚えて、怪我しないようにしなきゃと思ってやってました。」

大変ですね、という司会者に対して

綾野さん「そこまでしなきゃ、お客さんに届かないですからね」と真剣な顔を見せる。

綾野さん「それに、僕はスタント素人だから、アクセル踏む方もかなり気を使いますし、普通のスタントよりも難易度が高いことをさせてしまっていますから。申し訳ないですよね。」


・車にはねられるのも、山本の人生に必要な必然性があることだから、演じれるんですかね、という司会者の言葉に関して

綾野さん「あ、それはちょっと違います。僕も昔はそういうこと考えて芝居してたんです。なんでここまで歩かなきゃいけないのか?それには意味があるのかとか考えて。でももうやめたんです。そんなこと考えて生きてないじゃないですか、僕たち。歩いてみてわかる景色があるから、それを感じればいいから。その瞬間瞬間の連続が人生じゃないですか。」

 

・撮影初日について

藤井監督「しかも、撮影初日があの拷問のシーンだったんです。」

司会者の方「それは意図的にですか?」

藤井監督「いや、違います。スケジュールの関係でそうなっただけです。」

司会者の方「最初から辛くなかったですか?」

綾野さん「別に、順撮りにこだわりがあるわけでもないので、全然大丈夫です。」

司会者の方「じゃあもうみなさん、最初から凄い熱量の現場だったんですね」

綾野さん「そうですね。みなさん、ネジ(頭をさしながら」)を意図的に外していますしね。」


駿河太郎さんとのシーンについて

綾野さん「駿河太郎さんを刺すシーン、カットされて7回くらいになってたけど36回刺してるんです。途中で止まらなくなりました。市原くんが俺を刺すシーンは、一撃に全てをこめてたけど、俺のあのシーンは生き返るかも?!という恐怖も含んでるから何度も刺してる。そのシーン撮影後に、豊原さんが「いいねぇ!」ってめちゃくちゃ笑顔で入ってきたんです笑」


・豊原さんについて

綾野さん「豊原さんめちゃくちゃ怖いですよね笑。あの、磯村くんが「誰に口聞いてんだオラ!」的な感じでキレられるシーンで、本気で怖がってましたね。あの方は、いきなりぴーんって(頭から糸を出すような仕草をして)出しますから。」


・尾野真知子さんについて

藤井監督「綾野さんは、尾野真知子さんが入ってくると調子が狂いがち」それをきいて綾野さん笑ってる。

綾野さん「真知子は、一回座ったらもう30分は立ち上がらないですから笑」

藤井監督「ずっとお話ししてますよね笑。あの時は、剛さんがいつもの調子じゃなくなってるなって思います笑」

綾野さん「真知子は同い年ですし…ないですか?同い年だと、なんか。ちょっと違う感じ。」

司会者の方「ああ、同い年だとウェーイ!みたいな感じですか?」

綾野さん「あ、いや、それはちょっと違いました笑。あれですかね、ターニングポイントで一緒に芝居してるからですかね。カーネーション最高の離婚とヤクザと家族。だから、親友なんです。その親友から役に切り替わる瞬間が全く一緒だから信頼できるんです。」


ラブシーンが苦手な藤井監督。

尾野真知子さんとのラブシーンは、尾野さんとその場でやりとりを決めたとのこと。

綾野さん「キスしたほうがいい、と言われて「キス?ああ、キス、うんいいよ」みたいな感じでした。」

藤井監督「き、キス!事務所的に大丈夫ですか?!ってなりました笑」

綾野さん「大丈夫ですよ。僕も真知子も、演技上でのNGないので。」


・市原さんについて

綾野さん「市原くんは役が入り過ぎて、俺が海に落ちたあとに海に飛び込んで俺を助けようとして、「ちょっと!こないで!」(海に落ちて泳いでる演技をしながら)ってなりました笑」


・綾野さん自身の話

綾野さん「怖がられるのは別にいいんです。どうせすぐにバレる。ワンコみたいなやつだって笑。ただ、兄貴肌みたいに思われるのは違和感。どちらかというと弟的な立ち位置でいたいです。」


・司会者の方にお互いの話を振られて

藤井監督と綾野さんが同時に話し始めてしまう。

綾野さん「えっ!あっ!いいです!どうぞ!(手をどうぞどうぞとしながら)」

藤井監督「あっ!すいません、じゃあ僕から。」

 

・藤井監督から見た綾野剛について

藤井監督「ありました!剛さんの僕しか知らない姿!」

綾野さん「えっ!(恥ずかしそうに)」

藤井監督「綾野さんはおはよう〜って軽い感じで入ってきてくれる。ただいま〜みたいなノリがあります。」

綾野さん「それはそうかもしれないです。現場にただいまって感じです。自宅はただいまじゃないですね…ん?俺ちょっとおかしいこと言ってますね、自宅はただいまですね笑」

会場に笑いが起こる。

 

・綾野さんから見た藤井監督について

綾野さん「あの、ほらもう可愛いですよね?」

会場に起こる笑い。

綾野さん「こう、可愛らしい感じなのに、撮影になると変わるんですよ。僕が苦しい演技をしてるとニコニコしてる笑」

藤井監督「僕ニコニコしてますか笑。あ、でも、良い感じに撮影がいってる時と、なかなか上手くいかない時はわかりやすいかもしれない。」

綾野さん「わかりやすいですね笑」

藤井監督「タバコ吸いながら貧乏揺すりしてるみたいです笑」

綾野さん、タバコ吸いながら貧乏揺すりをする監督を真似たポーズしながら笑ってる。


・藤井監督がカットをかけないことについて

藤井監督「剛さんがずっと役に入ってるからカットかけれない。生き物として撮っていたいと思ってしまうんです。」

綾野さん「回しで撮るからずっと役を生きれていいですよね。役者はカットがかかるまでしかその役を生きられないから。それは1秒でも長いほうがいいですから。役者冥利に尽きます。」


・藤井監督の話

最初は2019年の話だけを書く予定だった。

でもこれではヤクザは可哀想だよね、ってだけの話になると思った。

最初の台本を綾野さんに見てもらって、そのあとに3部構成になったとのこと。

綾野さん「最初のやつから3部構成になるなんて思わなくて驚きました。すごい柔軟性。3部構成の脚本を見たとき、「いいねぇ!」ってなりました。でも最初の本に、この人は家族を書こうとしてるって、滲み出てました。」

綾野剛が山本になるってなった時点で、もう一度台本を一から書き直したとのこと。


・綾野さんの話

綾野さん「昔は尖ってましたね。それはそれしか表現方法を知らなかったから。みんなが通る道でもあると思うんですけどね。」


・FAMILIAの話

綾野さん「めちゃくちゃいいですよね?」

会場で拍手が起こる。


綾野さん「常田大希とはさっきもメールしてたんです。紅白おめでとう!って。」

拍手が起こる会場。

綾野さん「あ!違います、FAMILIAじゃなくて、Uです。竜とそばかすの姫の!ぶちかましてくるって言ってましたね。常田大希も太郎さんから引き継いできてますよね。」


去年の年末のPV撮影が仕事納めだったとのこと。

人が足りず、車の誘導係を綾野さんがしてた。

綾野さん「ああいうのは気づいた人がやったらいいんですよ」


・最初に聞いた時の印象について

綾野さん「大希から送られてきたFAMILIAの最初のピアノの3音「ちゃーんちゃーんちゃん」(言いながら)を聞いた瞬間に、「勝ったな」「大丈夫だな」って思った。大丈夫だなじゃないか、とにかく良いと思ったんです。」

綾野さん「できたっぺ。とか言って送られてきました笑」


・あや役について

あや役は、仙台で演技経験のない女の子をオーディションで決めた。

この子はどうですか?と藤井監督が聞いたら、綾野さんがめちゃくちゃ笑顔で良いですね!と言って決まったとのこと。

綾野さん「本当に娘ができた感じだったんです。」


・藤井監督が綾野剛を褒める

藤井さん「今までみてきた俳優の中で1番ストイック。あと何シーンで帰れる、とか考えてない。ずっと作品のことを考えてると思う。」

綾野さんは恥ずかしそうな顔を観客に向ける(くしゃっとした顔)


藤井監督は綾野さんが苦しんでる芝居の時にめちゃくちゃ笑顔でいる。

それを綾野さんのマネージャーが写真撮って綾野さんに見せてた。

でも、そこが信頼できるとのこと。

綾野さん「車にはねられたあと、すぐに大丈夫?!とか来ないんです。それはその役割の人にまかせているから。だから、心配してないのかな?とかは思わないんです。でも、それは信頼関係ができてないとできないですよね。」


・今後の話

藤井監督「このあと、アバランチも新聞記者もありますので。」


舞台袖から、美術の部谷さんが花束を持って登場。

花束を渡されるのが自分なことを綾野さんが気付き、「え?!僕ですか?!」と驚く。

そのまま綾野さんがサッと立ち上がり、「座ってください!」と促すも、部谷さんも遠慮して座らないから、「じゃあ僕立ちますね!」とそのまま立つ。

つられて藤井監督と司会者もみんな立ち上がる。

慌てる部谷さん笑

綾野さん「大丈夫ですよ笑!急いで出てきてくれたんですよね、時間足りなくなってきてたんですよね…!」

部谷さん「すいません、新聞記者とかの話題が出てきて、いけるかなと思いまして笑」

綾野さん「あ!皆さんもお手洗いとか大丈夫ですか?(観客を見ながら)すいません、長い時間。」


元々、部谷さんは綾野さんの大ファンで、以前のリップヴァンウィンクルの花嫁でも美術を担当していたそう。

部谷さん「ホテルのシーンの美術をしてたんですけど、綾野さんが来た時に一瞬褒めてくれて…!」

綾野さん「一瞬じゃないですよ笑!さっきも話しましたけど、僕ら役者は美術さんや衣装さんや皆さんに整えてもらって初めて出来る仕事なので。全部を整えてもらって、あとは僕ら役者はほんの少しの心を持っていくだけ。ほんの数%です。ここで裸で演技しても感動は生まれない、ってことですよ。」


・最後に

綾野さん「やっと皆さんの前でお話しできて、胸につかえてたもの、ささくれみたいなものがとれて、本当に良かったです。これでまた、明日からも撮影を頑張れます。」


終わる感じの流れの中、綾野さんがすかさず話の流れを止める。


「あ!あと、最後にお願いがあるんです!」自分のスマホをジャケットの胸から取り出して、「みなさんと写真撮ってもいいですか?」

自分でスマホ持ってステージの後ろの壁にぴったり背中をあてて、ステージから観客全部を写そうとする綾野さん。

画角的に端が映らず、うーんうーんという顔をしながら、横が…という顔をしている。

横から飛んできたスタッフに「あ、すいません。ありがとうございます。」と頭を下げつつ、スマホを渡す。

スタッフが端からさらに数名出てきて、ステージの机や椅子を片付けて撮りやすくしていく。

綾野さん「あ!大事にしてすいません…!みなさん、ありがとうございます!」

 

綾野さん「映りたくない人はこうして(顔を手で隠すポーズ)ね!」笑いながら。

階段降りながら、「皆さんの顔と被っちゃうから降りますね!」

階段を降りた瞬間、会場に起こるどよめき。

 

・写真撮るとき

綾野さん「広島みたいな掛け声ないですか?」

スタッフ(ないです的な雰囲気)

綾野さん笑いながら「じゃあいえーいみたいな感じで」でパシャリ。

 

写真撮り終わった後、スタッフから自分のスマホを受け取り、画面をお客さんに見せながら「こんな感じに撮れてます!」と笑顔の綾野さん。

部谷さん「これ、皆さんにも…!」

綾野さん「僕がSNSにあげるので!」

部谷さん「ありがとうございます!」

 

・本当に最後に
綾野さん「今日はありがとうございました!」と、笑顔で両手で手を振りながら去っていく。

 


終わり